いつかの、あの遠い夏の日に。

代本板!

実はこつこつと集めているのが
ハヤカワミステリのイギリスミステリ傑作選。
 
いったい何年から何年まであるのかわからないんだけど・・・
今のところ、74年・75年、77年〜88年までもってる。
まずは76年の「ある魔術師の物語」をさがさなきゃ。

推理小説は長編も好きだけどショートショートも面白い。
しかし、推理小説に環をかけて、どうも
イギリス文学(日本語翻訳)が好きなのではないか・・と
最近とみに思う。

思い返せば子供の頃から
かなり英国文学を読んできた。
 
きっかけになったのは
多分、小学校の図書室にあった沢山の本。
昼休みになったら図書室に駆けこんで
代本板を挿し込んで、
本の後ろの貸出カードに記名して借りるのが日課だった。
(夏休みの間も借りにいってた気がする・・。)
 
有名所でいえば、
真夏の夜の夢ロミオとジュリエット
秘密の花園、不思議&鏡の国のアリス
アーサー王伝説
クリスマスキャロル。
ホームズ全集もこのころに読んだし、
ハヤ号セイ川を行くなんかも思い出す。
 

そして。忘れもしない
床下の小人たち―小人の冒険シリーズ1 (1969年)
 
この本、っていうかシリーズを
むさぼるように読んだ記憶がある。
暑い夏の日の午後、縁側で。
  

ほんの、ほんの幼いときに。
小人は、かならず床下にいると信じて。
私の部屋から小物がなくなるのは
すべて小人たちのせいだと信じて。


でも、その本の存在を、ずっと忘れてた。
あらすじは覚えてても
題名もディテールも分からなくなって・・
誰に聞いてもそんな本読んだこと無いって言われて。
 
もしかしたら、私の脳内にせ記憶だったんじゃ
ないかとすら思いながら
四半世紀が過ぎた、夏。


 
今、映画館でかかってるアリエッティの原作がこれだと
知ったとき。
 
すごく複雑な感情が起きてきた。
 
なんだろう。
同じ本を好きで読んでいた人がいた事への嬉しさと。
なんだか、自分だけが
応援していたインディーズバンドがメジャーデビュー
しちゃったような、一抹の悲哀と。
  
 

 
でも、多分一番大きいのは。
 
あの夏の日にもう戻れない・・喪失感。
 
私もババアになったなぁ。